ヘルスと韓国エステは異なる風俗

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ヘルスと韓国エステは異なる風俗ブログ:2015年05月14日


「ごま漬けに酢は入れんのかい?」
それは母親の認知症を決定づけた一言だった。

お姉ちゃんやいもうとからは、
最近母親が少しおかしいと聞いていたが、
遠く離れたわたくしは、あまり気にもとめていなかった。

九十九里の名産であるごま漬けは、
小指程度の小さな背黒イワシを丸ごと、
頭と内臓をひとさし指でキュッと取って、
塩水に一夜、酢水に一夜つけ…

一段ずつ、きれいに並べ、
ゆず、はりしょうが、ごま、とうがらしの輪切と順番に振り、
一段、又一段と、気の遠くなるような作業を繰り返し…

そして
しばらく置くと、
息子もお年寄りも骨ごと食べれる
イワシのごま漬けの完成となる。

母親の味はどんな有名な店のものよりもおいしく、
母親自身もそれをわかっていた。
だからわたくしが実家へ帰るからというと
必ず手土産にと作ってくれておいた。

いつ頃からか少し味がかわってきて…
ん?何かが違うという感じが、現実のものとなったのだ。
50年やってきた当たり前が、母親の記憶から消えた。

たばこの自動販売機に古い500円札を入れて
入らないと泣きだしそうになったり、
お札に火をつけて燃やしてしまったり、
母親の中で一体何が起きているんだろう?

お父さんが亡くなって七年、
独りで淋しかったんだね…ごめんね…

今はまだ、
母親の中にわたくし達はいるんだろうか?
わたくし達の笑顔は母親に届いているんだろうか?
わたくし達の想いは…

忘れんぼうになった母親は
「ありがと」「ありがと」とそればかり…
もういいよ。

母親のシワシワになった笑顔の中に
わたくし達がいつまでもいられますように…

「ありがとう」は、わたくし達の方だよ。


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